さかご(骨盤位)

妊娠27週までは、自然に直ることが多いものです

 おなかの赤ちゃんは妊娠後期になると、大きくて重い頭を下にした頭位(とうい)という姿勢に落ち着くのですが、頭を上にした骨盤位(こつばんい)になってしまうことがあります。さかごのほとんどは、出産までに赤ちゃんが自分で回転して頭位に戻ります。十分に羊水の量があり、赤ちゃんが動きやすい妊娠27週までは、さかごであっても自然に直ることが多い時期。赤ちゃんが大きくなって羊水量が減ってくる35週以降は自然に直るのは難しくなってくるようです。

さかご直しの方法は自己判断で行わないで

 さかごを直す方法として、両ひざと胸を床につけ、おしりを高くする、さかご体操や、赤ちゃんの背中が上になるように、横を向いて寝るように産院や医師から指導されることがあります。産院によってはさかご直しの鍼灸(しんきゅう)を行っているところも。いずれも、百パーセントの効果を期待できるものではありません。また、医師がママと赤ちゃんの体の状態をチェックした上で行われるものなので、自己判断で行うのはやめましょう。

さかごが直らない場合は、帝王切開分娩になることがほとんどです

 出産間近になってもさかごが直らない場合は、ママと赤ちゃんの安全のために帝王切開分娩になることがほとんどです。さかごのなかでも、赤ちゃんのおしりが下にある殿位(でんい)は経腟分娩が可能な場合もありますが、産院によってはさかごはすべて帝王切開分娩という施設もあります。また、経腟分娩が可能と診断された場合でも、分娩が途中で進まなくなったり、赤ちゃんとママの状態が悪くなってきたりしたときには、帝王切開分娩に切り替えられます。陣痛が起こる前に破水してしまう「前期破水」が起こると、子宮口のすき間から臍帯(さいたい)が脱出する恐れがあり、母子ともに危険があります。さかごのママは「破水かな」と思ったら、すぐに産院を受診しましょう。