切迫早産

おなかの定期的な張り、痛み、出血があるときはすぐに受診を

 切迫早産とは、妊娠22週以降におなかの張りがある、子宮頸管(しきゅうけいかん)が短くなる、子宮口が開いてくるといったことが見られ、早産の兆候があるものの、安静と治療によって妊娠の継続が可能な状態のことをいいます。そのままにしてしまうと早産してしまうかもしれませんが、適切な処置を行えば早産を防げますし、赤ちゃんが十分に大きくなるまで妊娠を継続することができます。
自覚症状としては、おなかの定期的な張り、痛み、出血などです。このような症状があり、気になるようだったらすぐに受診しましょう。また、自覚症状がなくても超音波検査で子宮頸管をチェックしてみたら早産傾向にあったという場合も。妊婦健診は必ず受診しましょう。

原因は合併症、子宮のトラブル、感染症などさまざま

 原因としては、妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)や心臓病、腎臓病、糖尿病などの合併症がある場合、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や双角子宮(そうかくしきゅう)など子宮に問題がある場合、また、細菌性腟炎(さいきんせいちつえん)から卵膜の炎症(絨毛膜羊膜炎/じゅうもうまくようまくえん)を起こした場合などが考えられます。さかご(骨盤位/こつばんい)や多胎妊娠、羊水過多症などによって破水を起こし、早産につながることもあります。

安静を第一に、医師の指示を守りましょう

 切迫早産と診断されたら、程度や原因にもよりますが、安静にすることが第一になります。軽い場合は自宅で安静となりますが、治療が必要な場合は入院をすることも。おなかが張るときは子宮収縮抑制薬を内服したり、点滴を行ったりします。切迫早産になったママがすべて早産になるわけではありませんが、正期産(せいきさん)前に赤ちゃんが外に出てしまうと、出生後の赤ちゃんの発育に影響を及ぼすことがあるので、医師の指示は必ず守るようにしましょう。